無茶を命じられた藩士が問題を解決する痛快エンタメ時代劇。個人的にはハズレ。終始雰囲気が緩いためダレます。振り幅がないのでコメディ要素も上滑りしています。星野源は軽すぎるし、豪快な役を高橋一生が演じるのは違和感がありました。
「障害者だって遠慮ばかりせず迷惑かけて生きてもいいじゃない」という内容。インパクトをつけるため障害者がわがまま放題なので、そこが受け付けない人は多そうです。そうなるとボランティアに感情移入もできず見るのはストレスになりそう。個人的にはギリ大丈夫でした。
養子縁組の話。感情移入する先がなくてドキュメンタリーみたいでした。内容は大人なら理解できている事だと思うため、中学生向けという印象。カメラワークに監督の自己陶酔を感じて個人的には合わなかったです。
「さかなの子」が良かったので流れで沖田修一作品。ほのぼの系の内容で評判が良いのですが個人的には微妙。主人公のキャラが弱い気がします。なのでメリハリがない。それが2時間40分。同じ高良健吾なら「いつ恋」くらい振り切った方が成立していた気が。
ボロアパートに住む住人たちの話。まず「生活保護案件ではないか?」と思いましたが、それぞれ事情があるのでしょう。死生観がテーマですが重くなりすぎず、対比としての食事シーンが楽しそう。それだけの映画です。
いかにも「感動作」というタイトルなので避けていました。中村義洋作品らしい良いテンポとエンタメ具合。主演が阿部サダヲというのもシリアスになり過ぎずターゲットの客層に合っていると思いました。ただひとつ「良い状態のリンゴの木」というものが示されないので絵面的に響かないのが残念。
江戸時代後期の縁切寺を舞台にした人情噺。評判の良い今作ですが個人的には失敗していると思います。理由はいろいろありますが、大泉洋演じる主人公が過ごした24か月の時間の流れがまるで感じられないのが致命的。
我孫子武丸2作目の作品。処女作「8の殺人」や「メビウスの殺人」との3部作ですが単体で読めます。冒頭に作者からの「挑戦状」とも言える文言が載っていて読者を試しているのが憎いです。「警察無能すぎ問題」がつきまといますが、個人的には我孫子武丸の中では「殺戮」についで良い出来だと思っています。
伊坂幸太郎の小説が原作ということで見てみました。なかなかに面白くない映画でした。いろいろな殺し屋が出てくる荒唐無稽さが魅力なのですが、出てくるところがピーク。登場人物の魅力が伝わらず空振りしています。物語が収束しない稀有な内容でした。
「カラスの親指」の続編。映像化されていなかったので小説にて。前作は映画と原作で内容が変わっている部分があったため、補正しながら読む必要がありました。感想としては「良い所もあったけど悪い所もあった」。プロットは良いのにストーリー展開にいまひとつスピード感がない。主人公は阿部寛を当て書きしたかのようにイメージできましたが、ほかの登場人物は魅力なし。
「のん」のキャストが抜群ですね。「中性的で性のニオイがしない」「年齢不詳」という事が現代ファンタジーを成立させていると思いました。ですが140分は長い。上手にやれば同じような満足感を90分ほどでできたのではないかという気がします。
邦画によくあるエモい恋愛映画か、と思ってみていたら良い意味で裏切られました。良い胸糞映画でした。エグイです。ヒロインの体当たりな演技は圧巻。これが初の演技というのだから末恐ろしい。ただ、テーマが弱くて見終わった後に「何を見せられたんだろう」という気にもなりました。
細かいところは気にするのが野暮な現代ファンタジー。「感動話が好きな人が感動するために見る映画」。世にも奇妙な物語のエピソードを水増ししたような内容で、個人的には物足りませんでした。この原作が本屋大賞の候補というのは残念な感じです。
「君に届け」的な少女マンガ展開を真に受けて見ていると痛い目に合う内容。雰囲気が良かったのかそれなりに入り込めました。ただ、ストーリー的には「おいおい」の連続だし、台詞も芝居もぎこちない。ラストもこれまでの緩急との違いが半端なく置いてけぼりでした。
山田孝之が制作に参加した社会派サスペンス。善悪を問う内容です。個人的には失敗していると思います。テーマに新鮮味がなく押しつけがましい。「舞台は20年前くらいの日本かな」と感じていたのですが「マイナンバーカード」が出てきて唖然としました。この世界ではネットや防犯カメラが存在しないのでしょうか。
同名のリメイクに続編を付け足して、さらに未公開シーンを加えたディレクターズカット版。内容は昭和を感じさせるヒューマンドラマですが、あまり気にすることなく楽しめました。阿部寛と常盤貴子という若々しい二人だからこそ成立した感はあります。全4話。
震災と生活保護をテーマにした社会派ミステリー。個人的にワースト100に入る作品でした。分かりやすくするための勧善懲悪が過ぎます。それなのにテンポが悪く134分もある。登場人物の設定もベッタベタ。殺害方法はザル。