「シュール」「バイオレンス」「スタイリッシュ」な作品でした。ふた昔前のかっこ良さという感じであまり洗練されてはいない印象。ストーリー自体は面白くなかったです。

江戸時代後期の縁切寺を舞台にした人情噺。評判の良い今作ですが個人的には失敗していると思います。理由はいろいろありますが、大泉洋演じる主人公が過ごした24か月の時間の流れがまるで感じられないのが致命的。

我孫子武丸2作目の作品。処女作「8の殺人」や「メビウスの殺人」との3部作ですが単体で読めます。冒頭に作者からの「挑戦状」とも言える文言が載っていて読者を試しているのが憎いです。「警察無能すぎ問題」がつきまといますが、個人的には我孫子武丸の中では「殺戮」についで良い出来だと思っています。

伊坂幸太郎の小説が原作ということで見てみました。なかなかに面白くない映画でした。いろいろな殺し屋が出てくる荒唐無稽さが魅力なのですが、出てくるところがピーク。登場人物の魅力が伝わらず空振りしています。物語が収束しない稀有な内容でした。

「カラスの親指」の続編。映像化されていなかったので小説にて。前作は映画と原作で内容が変わっている部分があったため、補正しながら読む必要がありました。感想としては「良い所もあったけど悪い所もあった」。プロットは良いのにストーリー展開にいまひとつスピード感がない。主人公は阿部寛を当て書きしたかのようにイメージできましたが、ほかの登場人物は魅力なし。

「のん」のキャストが抜群ですね。「中性的で性のニオイがしない」「年齢不詳」という事が現代ファンタジーを成立させていると思いました。ですが140分は長い。上手にやれば同じような満足感を90分ほどでできたのではないかという気がします。

邦画によくあるエモい恋愛映画か、と思ってみていたら良い意味で裏切られました。良い胸糞映画でした。エグイです。ヒロインの体当たりな演技は圧巻。これが初の演技というのだから末恐ろしい。ただ、テーマが弱くて見終わった後に「何を見せられたんだろう」という気にもなりました。

細かいところは気にするのが野暮な現代ファンタジー。「感動話が好きな人が感動するために見る映画」。世にも奇妙な物語のエピソードを水増ししたような内容で、個人的には物足りませんでした。この原作が本屋大賞の候補というのは残念な感じです。

「君に届け」的な少女マンガ展開を真に受けて見ていると痛い目に合う内容。雰囲気が良かったのかそれなりに入り込めました。ただ、ストーリー的には「おいおい」の連続だし、台詞も芝居もぎこちない。ラストもこれまでの緩急との違いが半端なく置いてけぼりでした。

山田孝之が制作に参加した社会派サスペンス。善悪を問う内容です。個人的には失敗していると思います。テーマに新鮮味がなく押しつけがましい。「舞台は20年前くらいの日本かな」と感じていたのですが「マイナンバーカード」が出てきて唖然としました。この世界ではネットや防犯カメラが存在しないのでしょうか。

同名のリメイクに続編を付け足して、さらに未公開シーンを加えたディレクターズカット版。内容は昭和を感じさせるヒューマンドラマですが、あまり気にすることなく楽しめました。阿部寛と常盤貴子という若々しい二人だからこそ成立した感はあります。全4話。

人狼風ADV。最初は少しとっつきにくく後半はマンネリ化しますが、最終的にはキャラクターに愛着を持ててEDも良かったので満足でした。25時間ほど。

震災と生活保護をテーマにした社会派ミステリー。個人的にワースト100に入る作品でした。分かりやすくするための勧善懲悪が過ぎます。それなのにテンポが悪く134分もある。登場人物の設定もベッタベタ。殺害方法はザル。

個人的には結構失敗している作品だと思うのですが、評価している人も多くてびっくり。演出が過剰なところやご都合主義な展開がとても冷めました。セリフも聞き取りづらくて苦痛。

「わけありの雑誌記者が1年前に起こった未解決殺人事件を追う」話。終始ぞわぞわとした不穏な雰囲気が漂っていて良かったです。「警察無能すぎ問題」や「30代の役者が大学生を演じる違和感問題」はありますが、個人的には良作。

初期の我孫子武丸作品。「殺戮にいたる病」は特別で、基本的にはライトミステリーを書く作家なのでこの作品も気軽に読めます。登場人物が次々に推理を披露していく「推理合戦」の形は面白いのですが、やはりどうも軽すぎる感じが否めませんでした。

数日前から息子が帰らなくなりどうやら殺人事件に関わっているらしい、という話。サスペンスと思うと物足りないところもありますが、ノンフィクション系のジャンルだと思うと十分かと。堤真一の演技が沁みました。

名前を偽りながら生活しているうだつの上がらない中年のところに謎の女子高生が現れる話。「カラスの親指」の道尾秀介原作だったので期待したのですが、少し期待外れでした。ストーリーもキャストも地味で見終わっても凪だったなと。

「脳死」がテーマの社会派小説が原作。どうも東野圭吾の小説でよくある、テクノロジーをミステリーに落とし込む作品があまり合わないようで。子役の子たちは良かったです。

詐欺師が主人公のコンゲーム的な内容。ストーリーはとても好みなのですが映画としては失敗してる気がしました。160分は長すぎます。「あまちゃん」でブレイク前の能年玲奈が石原さとみよりも良い役で出演しているのは見もの。