ストーリーやシチュエーションはシンプルなので見やすいですし考察もやり甲斐がありそうです。
○良かった点
・演技、人物ビジュアル、部屋の構造、美術、演出、撮影等、物理環境クオリティが高いので気持ちが冷めずに世界観に入り込めた(なんかオシャレな雰囲気もだしてた)
・表現の根幹に象徴されるモチーフの知識が無くても、起こっている出来事は理解できる(小難しい事をわかりやすくしてた)
・フィクション(作品)としてまとまってた
△モヤった点
・こういう社会派系テーマは、世界配信する前提(ひとつの思想に偏りすぎず見てもらうため)に作ると抽象的にするしかないのかな?
資本主義による格差社会と人の本能を表現した映画。縦社会をうまく可視化して、極限状態の人間の演技も切羽詰まって生きるために何でもするという勢いが伝わってとても引き込まれた。
上に立つ人は自分の利益しか考えず、下の人はただただ苦しい思いをし、生きるために同じ境遇の人同士の争いを生む。稀に下の人を思い救おうとする者も現れるが一時的な救いでしかなく、その上自分自身も社会から転落してしまう。という厳しい現実に一石を投じていると思った。
カニバリズム、暴力、自殺など、過激な描写が多かったり、ラストシーンのところで好みが分かれそうだが、個人的には納得のいく映画だった。