原作は紀伊カンナによるBL漫画『エトランゼシリーズ』。多くの読者の心をとらえ2020年夏BLアニメレーベル「BLUE LYNX」にて劇場アニメとなる。
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アニメ化にあたり紀伊カンナ本人が監修とキャラクターデザインを担当。
制作は2Dおよび3Dアニメーションを主軸とした映像制作を行っている老舗スタジオ、スタジオ雲雀。
監督を務めるのは「ダンガンロンパ The Animation」の演出を担当し「『宝石の国』1巻発売記念フルアニメーションPV」などで瑞々しい演出力を見せた、大橋明代。
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小説家の卵の橋本駿と海辺に物憂げに佇む少年、知花実央。
ふたりの初々しくももどかしい関係、美しい沖縄の自然を、光、色彩、音、すべてにこだわり丹念に描く。
駿と実央の繊細に揺れ動く心を表現する、村田太志(駿役)と松岡禎丞(実央役)の演技にも注目。
静かにくり返す波の音。満天の星空。ゆったりと流れていく時間。
訪れたものすべてを包み込む沖縄の離島で、純粋で、あたたかく、でも不器用なふたりの恋が育まれる。
ボーイズラブが少数派や妄想のものだけじゃなくなってきた時代に生まれた良作。
漫画はもとよりアニメまで絵の上手さと、映画としてのテンポや構成の上手さが作品をしっかり支えている。
キャッチコピー「特別じゃない、ただ恋をしている。」もテーマを芯に貫いてこれ以上ないハマり具合。
数ある恋愛ドラマが飽和したなかで、現地ロケをしっかり反映してリアリズム出しつつ、きっちりBLとしての「えろ」「ピュア恋」をアニメ表現として上手く描いている。男女の組合せでは描けないギミックも効いてたりする。