20世紀末。英国では不可解な吸血鬼事件が頻発し、インテグラ率いる王立国教騎士団・通称「ヘルシング機関」は、絶大な力を持つ吸血鬼でありながら吸血鬼を狩るアーカードと、新たに吸血鬼となった婦警セラスを使役し、対処にあたっていた。しかし、暗躍する謎の敵組織により、ヘルシング本部が強襲されるなど多大な被害を受ける。一方、プロテスタントである英国とは犬猿の仲であるヴァチカン及びその直属「イスカリオテ機関」もまたカトリック教徒が多い英国スコットランドでの吸血鬼事件に介入し、ヘルシング機関はアーカードに匹敵しうる対化物の切り札アンデルセン神父と戦闘を繰り広げる。紆余曲折を経てヘルシング機関はイスカリオテと協力関係を持ち、事件の黒幕が南米に逃れたナチス残党による組織「ミレニアム」だと知る。
情報収集のためブラジルへ派遣されたアーカードはミレニアムの構成員や協力者らに襲われるも、逆に彼らの正体が先の大戦末期にヘルシング機関が潰した「少佐」と呼ばれる男の部隊であると判明。すべての準備が整った少佐は英国王室の会議で、英国に対する宣戦布告を行い、配下の者達に「第二次ゼーレヴェ(あしか)作戦」の開始を宣言する。一方、その場にいながら少佐から無視されたイスカリオテ機関は、英国とミレニアムを共に潰そうと画策し、英国を再征服(レコンキスタ)するために機関長マクスウェルを最高指揮官とする第九次空中機動十字軍を結成する。
陽動作戦によってアーカードを英国から引き剥がすことに成功したミレニアムは、帝都ロンドンへの奇襲に成功する。さらにヘルシング機関へ強襲をかけ、ほぼ戦力を無効化するが、真の吸血鬼として覚醒したセラスによって強襲部隊は壊滅させられてしまう。その間隙を縫って、イスカリオテ機関は地獄と化したロンドンに侵攻をかけ、ミレニアム、ロンドン市民問わず、殲滅を敢行する。ミレニアムと十字軍の軍隊が対峙し、ロンドンにおける英国の戦力が事実上インテグラとセラスの2人だけという絶望的状況の中、帰還したアーカードは死の河こと「拘束制御術式 零号」を解放する。アーカードの内にある数百万の亡者達が放出された結果、瞬く間にミレニアムと十字軍の地上部隊は壊滅し、戦況は逆転する。
混乱の中でマクスウェルは死亡し、アンデルセンは十字軍の失敗を宣言すると、単身でアーカードに挑む。自ら茨の化物となってアーカードを追い詰めるも、アンデルセンは敗北し亡くなる。そこに若返ったインテグラの老執事ウォルターが現れ、ミレニアムに寝返ったことを明かした上でアーカードへ挑む。インテグラは信頼していたウォルターへの決別を宣言すると、セラスを従え、少佐が待ち構える飛行艇へ乗り込む。
アーカードとウォルターの戦いは、ウォルターが善戦するものの、無理に吸血鬼化した身体が限界を迎え、アーカードが追い込む形となる。アーカードは血の河を自らの体内に戻し始めるが、すべてはこの瞬間が狙いだった少佐は、切り札シュレディンガーの血を混ぜ、自己認識できなくなったアーカードは消滅する。強化ガラスを隔てて対峙するインテグラに対し、少佐は勝利の余韻に浸る。強敵・大尉を討ち果たしたセラスの合流により強化ガラスが破られ、負傷した少佐はサイボーグであることが判明する。少佐は「人間」の定義について語り、人として化物であるアーカードを倒したことを誇るが、インテグラはそれを否定する。一騎討ちの果てに、少佐は満足な笑みを浮かべて絶命し、インテグラはアーカードの帰還を予言する。
30年後。アーカードは未だ帰還しない中、年相応に老けたインテグラは、変わらず女傑としてヘルシング機関を率いていた。ある夜、就寝中のインテグラを何者かが襲い、彼女が応戦する。そこにいたのは、復活したアーカードであった。アーカードは30年間、自分の中の命を殺し尽くし、自己を認識できるようになって復活したのだった。インテグラは指先を切って血をアーカードに与え、2人は軽く挨拶を交わした