このサイテーな世界の終わり(TVシリーズ)
【読み】 このさいてーなせかいのおわり
このサイテーな世界の終わり(TVシリーズ)【 このさいてーなせかいのおわり】
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今まで誰かと恋に落ちたことのあるすべてのメンヘラに捧ぐって感じ。家庭環境の複雑さ、そこで生まれ育った主人公たちの心境がめちゃくちゃ細かく掘り下げられているので感情移入してしまった。

アリッサが結構トゲトゲしいのは、家庭環境があまりにクソすぎるがゆえの言動って感じで私の中でのわかりみがかなり深い。親ですら自分のことを大事にしないのだから、まともに愛されたことがないのだから、自分の身体を簡単に他人に許そうとしてしまう。制作者側にハードな生い立ちのやついるだろこれ。じゃないとこんな解像度高いドラマできない。

どんな支離滅裂なことしても寄り添ってくれるジェームズが優しい。何度か離れても、やっぱり大事で戻ってきてしまう。はたから見たら女々しいって思うかもだが、個人的には若すぎるがゆえの行動だと思ってる。可愛くて不器用で愛おしい。花を渡すシーンとかめっちゃかわいい。ていうかアリッサとジェームズが一緒に行動しているときの二人が、お互いに本当の素の自分を出しているかのような空気を感じ取ることができて演者さんの演技力の高さを感じることができた。

シーズン2からの登場にはなるがボニーの心情もそこそこ痛いほど分かってしまう。恋は人を盲目にさせてしまう。結局あの教授が大マジにボニーに対して恋に落ちたかどうかは不明だが、本に少なくともあんなこと書かれてたらまあ嬉しいよな。嬉しくないはずない。だからこそ56されたことが受け入れられず、犯人であるアリッサたちの言葉に耳を貸せない。

走馬灯のような強烈に楽しかった瞬間の演出とか、本当にリアルすぎて怖い。本当によくできたドラマだと思う。一話20分程度でサクッと終わるのもポイント高い。ラストもゴリゴリのぶちゅぶちゅしてのハッピーエンドじゃなくて、お互いがお互いの生活に戻るようなラストじゃなくて(てかそうなったらジェームズお前天涯孤独だろ可哀想過ぎる)、自分の精神状態を一応理解したうえで二人でちょっとずつ前に進みたい、わかったよ、といったようなアリッサとジェームズらしい二人の締めくくりになったのが本当に良かった。事故の後遺症でナニがたたなくなったと打ちあけたかも、もう好きになってもらえないかもと弱気になるジェームズに関係ないと言い放つアリッサも大概優しい。本当に好きじゃないとそんなこと言えないんじゃないか?

とまあバカクソ長文になったが私個人としてはめっちゃ好き。このまま完結してほしい。間違ってもシーズン3とか作るなよ。