はちどり(映画)
【読み】 はちどり
はちどり(映画)【 はちどり】

1994 年、ソウル。家族と集合団地で暮らす14歳のウニは、学校に馴染めず、 別の学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩女子とデートをしたりして過ごしていた。 両親は小さな店を必死に切り盛りし、 子供達の心の動きと向き合う余裕がない。ウニは、自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていた。

みんなの感想

97年のアジア通貨危機前夜を匂わせるように終始纏わり付く緊張感と日常に生きる少女ウニの半径5mで揺らぐ他者との関わりが混ざり合っては分離したりする無軌道なナラティブに酔いしれてしまった。何度呼びかけても応答しない酩酊したような母親のボヤけた残像とこの世のことわりを教授するメンターヨンジのノンシャランめいた存在感は14才の少女にとっての”不思議で美しい世界”の目印として記憶の狭間で断続していくのだろう。「わたしの人生はいつか輝くのでしょうか?」の問いに困惑しながら、ひたすらに水をすくい上げる日々です。