直訳した題は『実存を省みる枝の上の鳩』。邦題の訳は恐らく、たまの音楽のさよなら人類から拝借したかと。
特筆すべきカメラワークは無く、まさに指定席(=固定された位置)から舞台を鑑賞しているかのような(ような)。
全体として、あまり抑揚の感じられない淡々とした台詞、辻褄の合わない場面転換、過小な動きのみで立ち回る役者ら等、まるでシュールな演劇を見せられている気持ちになった。
また、「元気そうでよかった」・「早朝出勤の者もいる」・「歌詞は違えども同じメロディで歌う」という台詞をリフレインさせたりと、詩的要素も含まれていた。
物語のなかで直接的に語られてはいないけれど、生と死、文明と非文明、強者と弱者等、メタファーで二項対立を描きたかったのかなぁとおもわれ。