『錆喰いビスコ』 (さびくいビスコ) は、瘤久保慎司による日本のライトノベル。イラストは赤岸K、世界観イラストとしてmocha。電撃文庫 (KADOKAWA アスキー・メディアワークス) より2018年3月から刊行されている。第24回 (2017年) 電撃小説大賞の銀賞受賞作[4]。防衛兵器の暴走によって文明が崩壊した未来の日本を舞台に、「錆び風」と呼ばれる現象に悩む人類と、それに対抗する力を持つ「キノコ守り」の青年の活躍を描く[5]。3巻までで第一部完としている[6]。2021年10月時点でシリーズ累計発行部数は30万部を記録している[7]。
2019年版『このライトノベルがすごい!』では総合と新作で1位にランキングしており、『このラノ』としては初の快挙を達成している[8]。
メディアミックスとして『マンガUP!』にて高橋佑輔によるコミカライズ第1弾が行われ[9][10]、同じくマンガUP!にて夏星創と萩織章仁によるコミカライズ第2弾「錆喰いビスコ2」が行われたり[11][12]、河本啓佑の朗読でオーディオブック化されている[13]。2021年にはテレビアニメ化が発表された[14]。
あらすじ
防衛兵器の暴走によって文明が崩壊し、荒野や砂漠が広がる未来の日本。人類は各所に城塞都市を構えて独自に統治しつつ、無秩序に野生化した防衛兵器に備えながら生き延びてきた。
その最中、有機物も含めすべてを錆びつかせる「錆び風」が猛威を奮っており、人類も錆び風により段々と錆びついていき、やがて命を落とす「サビツキ」に悩まされていた。「錆び風」の原因は、キノコの胞子とみなされ、キノコの扱いに長けた一族「キノコ守り」は迫害を受けていた。しかし、実際にはキノコこそが、治らないまでもサビツキを抑える効果があった。
世間の風評を気にせず、錆対策で各地でキノコを生やすキノコ守りの少年・赤星ビスコは、そのために騒動を起こし、通称「人喰い茸」として懸賞金を掛けられるにまで至ってしまっていた。そんなビスコの目的は、キノコ守りに伝わる、霊薬キノコ「錆喰い」を見つけることであった。